ハラスメントとパーソナリティ障害(1)

昨今問題になることが多いパワハラを含めて,ハラスメントの加害者側にはパーソナリティ障害やそれに近いパーソナリティ傾向をもつ人が多く見られます。被害を受けた時の対策や,うつ病などにならない予防のためにも,特徴を知っておくことは大切です。

パワハラの加害者側には,自己愛性パーソナリティ障害が疑われる人が多くの割合で含まれています。パーソナリティ障害と言わないまでも,自己愛に関する何らかの傷つきやユング心理学でいうコンプレックスが無意識レベルで働いていると考えられます。マスコミの取材などで,非常に横柄な態度や上から目線といった対応をとる人が多いのは,自己愛の傷つきの裏返しと推測されます。

DVを含むモラハラの加害者側には,境界性パーソナリティ障害が疑われる人が多いと言えます。これは,対人関係における不安定なイメージの中で,肯定と否定が極端に入れ替わったりするため,否定に入った時に人格否定のような形で相手を攻撃してしまうことによります。幼少時の親との関わりにおける傷つきや不安が背景にあることがほとんどで,期待はずれで責めている感じです。

対処の基本としては,どちらも理不尽極まりないという言動をとったりするので,できる限り心理的な距離をおけるように線引きやルール作りをすることが挙げられます。可能なら物理的に離れる方が安全ですが,難しい場合も多いので次回に詳しく書きます。