うつ病と不眠症/睡眠障害(2)

眠っている間に,脳内では日中の様々な情報を整理しているとも言われ,良質な睡眠はストレスを軽減する効果も高いと考えられます。眠れないというのは本当につらく,それだけで大きなストレスになりますし,精神症状の改善を妨げ悪化のリスクを高めます。

前回書いた,入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒の中で,入眠困難は寝つきが悪いという軽度を含めると,多くの方が経験していると思います。僕も経験することが時々ありますが,日中のストレスが残っていると,その出来事に関することが頭の中でグルグル回ってしまい,興奮や緊張が高まり自律神経が交感神経優位になります。こうなると,眠れる状態になかなか体が向かっていきません。

強いストレスがかかったり,ストレスの蓄積が解消されていないとこういう状態になりやすいので,眠りやすくなるためには,自律神経を副交感神経優位に向けることが重要です。食事や入浴,交感神経を刺激しないような生活習慣の見直しも大切ですが,カウンセリングとしては,自律訓練法という技法を用いて自律神経のバランスを整え,リラクセーションを兼ねて身につけていきます。

また,なかなか眠れないと感じることで不安が高まり,眠らなければと焦ることが悪循環を引き起こします。交感神経が優位になっていることで,不安や焦りを喚起しますので,この悪循環を予防するためにも,自律訓練法やリラクセーションは有効と言えます。