ポリヴェーガル理論に基づく転換について

「こころブログ」として心理臨床に関する記事を書き始めて,1年が過ぎました。基本的な部分を押さえておく必要もあったため,それほど突っ込んだ内容ではなかったものの,「とても参考になる」などのご感想をいただくことがあり,よかったと思います。

もう少し,カウンセリング/心理療法について内容を発展させていこうかと思っていたところに,以前より気になっていた「ポリヴェーガル理論」について学び始めました。このブログは,僕の理論構築といいますか,培ってきた技術をまとめて伝えるという側面があるのですが,それを大きく補完してくれるように感じました。このため,ブログの方向性を少し転換しようと考えています。

「ポリヴェーガル理論」は,人間の進化の過程に基づいて自律神経系を分類していますが,これまでの交感神経と副交感神経のバランスという見方を大きく修正しています。そして,トラウマや発達障害といった複雑な心理臨床の領域にも踏み込んで,理論を展開しています。僕の理論構築は,深層心理学と自律神経系の働きが中心になっているため,それを再構築する必要が出てきました。

ポリヴェーガル理論は,自律神経系に関する従来の考え方も包括的に構成されており,これまで書いてきたブログの内容を否定するものではないのですが,今後は記事を補完しながら,より精緻な理論構築に結びつけられるように,書いていきたいと思います。