双極性障害のセルフケアと予防(1)

双極性障害のセルフケアは,自分の気分の波の状態を感じとることが第一になります。抑うつ気分のときは,比較的わかりやすいのですが,躁的な気分のときは,調子がよくなったと思うぐらいで気づきづらいことが多いため,そちらの方に注意が必要です。

躁的な気分の状態になると,いろいろとアイデアが浮かんだりテンションが上がってくるので,その勢いで心のエネルギーを使い続けていきます。心のエネルギーが高まっているというよりも,躁的な気分に引っ張られてあまり眠らなくても大丈夫になったりしているので,実際は本人の自覚以上に心のエネルギーを消耗していて,抑うつ気分のときにガクッと重いうつ状態になりがちです。

この重いうつ状態の予防のために,躁的な気分のときには心のエネルギーを消耗しすぎないような過ごし方が重要になります。うつ状態の後に躁的な気分に波が戻ってきた時期は特に,それまで活動できなかった反動で,取り戻そうと躍起になってしまうこともよくあります。心のエネルギーの消耗を抑えられれば,気分の波が抑うつ側に向かった際に比較的軽くでき,早めの回復が可能です。

躁状態にあることは,自分ではなかなか気づきづらいものです。専門家でなくても,家族など身近で見ている人は変化に気づきやすいので,サポートをお願いすることも有効です。自分で気づく力を高めるためには,継続的なカウンセリングが必要と言えます。