うつ病と不眠症/睡眠障害(1)

うつ病になると,多くの場合に不眠が表れてきます。逆に,睡眠障害によって睡眠不足等が重なることで,うつ病になるリスクが高まります。睡眠の量と質のバランスがとれていることは,精神的な健康を保つ上でもうつ病のカウンセリングでも重要になります。

「睡眠障害」という場合は,睡眠時無呼吸症候群やレストレッグス症候群(むずむず脚症候群),身体疾患や薬物療法の影響などが考えられますので,睡眠外来などで医学的な治療を受ける方が適切な場合があります。カウンセリングの場合は,自律訓練法などのリラクセーションを自分でできるようにしたり,傾聴・共感によるストレスの軽減やストレスの受け流し方の助言等が中心です。

うつ病で生じる不眠症は大きく分けて,入眠困難,中途覚醒,早朝覚醒に分けられます。入眠困難は,寝つきが悪くなかなか眠りにつけない症状で,中途覚醒は,深夜に目が覚めてしまいその後は眠れなくなる症状,早朝覚醒は,起きるべき時間より大幅に早く目が覚めてしまう症状です。また,入眠困難では,概日リズム睡眠障害という昼夜逆転状態が影響している可能性も考えられます。

不眠症/睡眠障害になる要因は様々で,快適な睡眠のための生活習慣や環境をチェックして,改善することもカウンセリングの中で必要になります。夢を覚えていればその内容や,覚えていない場合は感覚だけでも,ストレスの方向性を見立てる参考になります。