うつ病と不眠症/睡眠障害(4)

前回までは不眠症について書きましたが,概日リズム睡眠障害という睡眠障害も,不眠症の中の入眠困難と関連してきます。概日リズム睡眠障害というのは,24時間の周期的な睡眠リズムが崩れていくことで,入眠困難が生じたり,昼夜逆転になったりします。

概日リズム睡眠障害は,基本的に睡眠リズムが後の方にズレていくため,起きる時間が遅くなっていき,朝起きれないために遅刻を繰り返したり,頑張って起きても体が思うように動かないとか頭がボーッとするなどして,子どもの場合は不登校につながっていくことが多くあります。入眠困難によって睡眠不足が続くことで悪循環につながり,うつ病のリスク要因にもなってしまうのです。

睡眠リズムは25時間程度と言われ,目から朝日の刺激が入ることでリセットされて,24時間周期が保たれると言われています。このため,医療機関では光療法という強制的に光を浴びせる治療法があります。それほど重度でなければ,寝る前にブルーライトを目に入れないようにして,朝起きたらカーテンを開けて外の光を浴びたり,外を少し散歩したりすることで,改善が見込めます。

昼夜逆転までズレてしまったなら,元に戻そうとするよりはズレる方向にあと半周させる方が体の自然には合っています。時差ボケに対処する要領で,頑張って眠らずに日中を過ごし,夜になってから寝る方が合わせやすいと思いますので,試してみてください。