自律神経のバランスとセルフケア(2)

前回,緊張状態が続き交感神経が酷使されることで,食欲不振や不眠につながると書きましたが,これは副交感神経にうまく切り替わらないための症状です。ストレス等で生じる身体症状のほとんどは,自律神経のバランスが崩れたことによるものと言えます。

自律神経のバランスを整えるには,リラックスして副交感神経に切り替わるようにすることが重要です。絶えず緊張状態に置かれていることで,リラックスの仕方がわからなくなっているような状態ですから,リラックスするという感覚を取り戻すことが必要になります。重度のうつ病と違い,ただ休むというよりは,交感神経から副交感神経への切り替えがスムーズになることが目標です。

反対に,副交感神経から交感神経に切り替えることが難しい状態というのもあります。ここ数年,不登校の子どもたちに診断が出ることが多い,「起立性調節障害」が代表的なものです。朝起きて,なかなか体が活動状態にならないのが主な症状で,これはアクセルに例えられる交感神経に切り替わりづらくなっているためと考えられます。これも,交感神経の酷使が原因の場合が多いです。

自律神経のバランスを改善するためには,あなたに合ったリラクセーションを見つけることが大切ですが,そのひとつに「自律訓練法」があります。カウンセリングを通して体得していくことで,慣れれば数分でできるので,日常のセルフケアに活用できます。